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概要

日赤看護大学案内2018

41岩手県下閉伊郡山田町における活動災害救護ボランティアサークル(SKV)は、2013 年から毎年8 月に仮設住宅の集会所を訪問。「私たち学生にできることは何か」を考え、ボランティア活動を展開。2015 年はAEDの使い方と心肺蘇生法の講習、タッチングを取り入れたマッサージ、介護予防の創作体操を実施。2016 年に訪問した際には、土地の整備や復興住宅の建設が顕著に見られるようになり復興に向けての動きを改めて感じると同時に、仮設住宅から復興住宅へ移行することに住民の方の期待や、希望とは裏腹に不安を抱いていることを強く感じました。徐々に空き家が増え、今までの近所付き合いも移行によって離れ、また新たな場所で関係を築いていくことへの精神的、身体的負担があると思います。私たちの活動が、住民の方にとってプラスに働くことが出来たのかは定かではありませんが、仮設住宅で過ごした日々の小さな思い出の一つになれたらと願っています。中長期支援を可能にする日本赤十字看護大学の経験知と研究中長期の災害支援を可能にするもの、それは赤十字の「人道」を実践してきた本学の経験知と研究です。災害時も一人ひとりを多角的にとらえるための大学院看護学専攻国際・災害看護学領域、さらに共同災害看護学専攻では広範な地域における災害看護の研究に取り組んでいます。また、医療を超えた職種間の連携を探るなど、被災者中心の支援の研究も進んでいます。このような災害支援の蓄積により、広域において継続的な活動を行っています。災害後慢性期から復興期福島県いわき市に避難した浪江町民に対して、2012 年より本学は日本赤十字社ともに浪江町との協定を結び、健康支援事業を開始しました。2013 年には日赤なみえ保健室を開設し、現地に職員を配置し、支援の充実を図っています。また、2017年からは本学と浪江町との新たな協定のもと支援を継続しています。この健康支援事業では、自宅を訪問し「語りを聞くケア」により健康状態と支援ニーズを把握し、健康課題への早期対応を地域行政の保健師と共に行っています。東日本大震災2011年3 月~災害救護ボランティアサークル「SKV」学生による災害支援2016 年代表/山田町ボランティア代表/山田町ボランティア副代表(看護学部3 年)私たちは、国際・災害看護学領域の先生方からの温かいご指導のもと活動を行なっています。災害に興味がある仲間たちと協力しながら、ときに葛藤しながらも多くの方の支援によって貴重な体験をし、更なる知識や技術の向上に努めたいと考えています。2016 年の熊本地震の際には、4年生の有志7人で、社会福祉協議会熊本市ボランティア活動センター経由でボランティア活動をさせていただきました。内容は、看護に関連した活動ではなく、瓦礫処理や家屋内の片づけなどを行いました。普段はサークルとして災害看護や災害医療を学んでいますが、一マンパワーとして医療者ではない一般の方と共同し活動することで、新たな視点で災害支援に触れることができたと思います。長期的に、そして広い視野で災害支援を捉えることが重要であると改めて学ばせて頂きました。 災害後の復興期における支援